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イラン核合意は最悪の合意、ドナルド・トランプがNOと言ったのも無理もない

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<引用元:USAトゥデイ 2018.5.8>ジェームズ・S・ロビンス氏によるオピニオン

ドナルド・トランプがイラン合意を易々と破棄できるのは、土台が不安定だったことから来る当然の結果。合意は終えるべき時に来ていた。

トランプ大統領が、イランに対する制裁の権利放棄を延長しないと決定することで、イラン政府との破滅的な核合意から効果的に離脱し、もっと良い取引の交渉を行うための舞台を整えることができる。

大統領が、自ら「今までで最悪の取引」と呼ぶ合意を継続しないことを選択するのは、驚くべき事ではない。包括的共同作業計画(JCPOA)には、重大な欠陥が数多くある。例えば、政権に対する調査と確認が緩いこと、自動的なサンセット法(訳注:法律や規制が一定期間後に無効になる法的条項。この場合一定期間後に、自動的にイランの核開発の制限がなくなってしまうこと)、また、イランによる弾道ミサイル開発を制限できないことなどだ。

その上、イラン政府によるテロリズムと内乱への支援を防ぐ事には、何の効果もなかった。事実、合意によって凍結解除された1500億ドルに及ぶイランの資産は、おそらく同国が最近シリアなどで展開する、軍事的冒険主義を支援することになっている。

トランプ氏は大統領就任から最初の1年間、イラン合意を生き延びさせた。「最後に」制裁免除を延長したのは、1月12日のことだった。大統領は、議会やヨーロッパの同盟国が合意を修正するために、120日の猶予期間を提供すると述べていた。改善の提案も行われたが、実際の変更は望めなかった。大統領は修正ではなく、NOと言うことにした。これで白紙の状態から、米国と国際社会はもっと賢明な合意を築くことができる。

大統領がJCPOAを易々と破棄したのは、土台が不安定なものだったことから来る当然の結果だ。オバマ政権は、上院の承認を得た上で、もっと息の長い条約を締結するだけの国内政治での支持を欠いていた。そのため代わりに、国際法の下で縛られることのない「政治的誓約」によって、回避策を取ることを選択した。オバマ前大統領は、制裁法において、一連の安全保障上の権利放棄の抜け穴を発動することで、当事者としての責任を果たした。しかしながら、これらの権利放棄は定期的に延長しなければならず、さもないと制裁がまた実施されることになる。トランプ氏が米国の制裁を復活させるのに必要だったのは、法律が行くところまで行き着くようにさせることだけだった。

トランプ大統領は、米国の制裁は直ちに完全に復活することになると約束した。これは、取り決めが自動的に無効となるということだろうか?

それはイラン次第だ。イラン政府は、その選択次第では継続して取り決めに従うこともできる。するとJCPOAは、イランが発動できる共同委員会を通して、紛争解決のための仕組みを提供する。

しかしながら、合意の主要な内容では、イランはいかなる制裁の再適用であっても、「全体であれ一部であれ、本JCPOAの下での誓約の遂行を停止するための根拠として」扱う、とされている。またイラン政権はすでに、ウラン濃縮プログラムを、合意が署名される前よりも高いレベルに置き換えることも辞さないと表明していた。

これは、イランが核兵器製造に踏み切ることができるという意味ではない。イランは依然として、兵器の開発を禁止する核拡散防止条約(NPT)に縛られる。最近イスラエルの情報機関が11万のイランの文書、ビデオ、写真を公表したが、イランが違法な兵器開発を再開しようとする動きを見せるなら、NPTに直接違反することになる。すると国際社会の非難の対象となり、実力行使の対象となる可能性もある。

トランプ大統領が言ったように、イラン政権は「これまでに経験した以上に大きな問題」に直面することになるだろう。

イランにとっては不利だ。JCPOAの下では、1国以上が合意に従っていないことが分かった場合、「国連安全保障理事会が異なる決定をしない限り、以前の国連安全保障理事会の決議が再び課される」。

米国には拒否権があるため、安保理事会がこれを阻止することを決定することはないだろう。すなわち、停止中の7つの国連制裁決議が再び有効化されることになるだろう。これが有名な「スナップ・バック(元に戻す)」の仕組みであり、2015年にオバマ氏が合意を推進する際に売り込んでいたものだ。「国連安全保障理事会の他の理事国の支持は必要ありません。米国は自力でスナップ・バックを発動できます」と。

言うまでもなく、オバマ氏は自分の後任者がこの自爆ボタンを押すとは考えていなかったことだろう。というのも彼は、2016年の大統領選挙の結果が、もっと違ったものになると思い描いていたからだ。

イラン核合意が、それ自体に終焉をもたらす種を抱えていたというのは、興味深い話だ。だが、過去最悪の合意から他に何を期待できるというのだろうか?

 

執筆者のジェームズ・S・ロビンス氏について:USA TODAYの寄稿者の1人。国防総合大学と海兵隊指揮幕僚大学で教鞭を執った経験を持つ。ジョージ・W・ブッシュ政権では国防長官の特別補佐を務める。American Foreign Policy Councilの安全保障問題担当上級研究員。

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